みなさん、こんばんは。
華奢な手に憧れていた荒馬です。
荒馬の手は分厚く、筋張っていて、骨太。
パーツモデルの人のような手までは望みませんが、
昔は、華奢で、細くて、握ると折れてしまいそうな、
か弱い手が羨ましかったです。
中学生の時、40歳前後の母の手を見て、
「あと数十年したら、こんな手になるの?
嫌だなぁ。それなら、若くして死にたい」と
とんでもなく親不孝なことを、言った荒馬。
あの時、母がどう答えたかは覚えていないのですが、
自分が言った台詞やシチュエーションは鮮明に覚えています。
あの頃の自分を思いっきり殴ってあげたいです。
今日はこの1冊
ハルという女性の一生を描いた作品です。
手に込められた様々な思いや情景が見えてくるような感じです。
絵も、全て鉛筆で描かれていて、手の質感がとてもリアルに表現されています。
カバー裏には【手が暮らしを育て、愛をはぐくみ、死を見送る】と
書かれています。
身近にありそうな、誰にでも起こるような日常ですが、
一生を通して見ると、壮大というか、迫力があります。
読み終わった後に、大きく息を吐きました。
ため息なのか、深呼吸なのかは荒馬自身も分からないのですが、
深い深い息でした。
この絵本を読んで、冒頭で書いた話を思い出しました。
その後すぐ、美術の授業で自分の手を描いた気がします。
絵が苦手だというのもありますが、自分の手が好きではなかったので、
とても苦痛な時間でした。
今、あの時の母と同年代になりました。
母よりも分厚く太い手ではありますが、あの時の母の手に似ています。
手は、
これまでの人生の中で、一番頑張っているパーツな気がします。
痛さにも冷たさにも耐え、
熱さにもしびれにも耐え、重たいものを持ったりしました。
ごつくて、皺が増えましたが、
最近は、あまり嫌ではありません。
割と器用に頑張っているし、何かを生み出すのにも一役買っています。
じっくりと手を見ることもなかったのですが、
最低限のケアはしてあげないとなぁと感じました。
手で語れるほど、たいした人生を送っているわけではありませんが、
もう少し先の未来、もっと誇れる手になれるように
今をもう少し、頑張ってみようかなぁと感じた、
夏至の夜でした。