荒馬のつれづれ日記

好きなことを、好きな時に徒然と綴る日記です。

提出できないままの宿題

みなさん、こんばんは。

【家庭学習】は好きですが、【宿題】は苦手だった荒馬です。

 

12年間、ずっと心にチクッと刺さる棘を抱えています。

悲しい、重たい話題ではありませんので、ご安心を。

当時、荒馬は、仕事が楽しくて楽しくて仕方ない時期でした。

そんな時に出会った生徒との話です。

 

彼女は闘病生活を送っていました。

入退院を繰り返しながらも、少しずつ登校できる日が

多くなって来ていたころです。

彼女の学年の授業を受け持っていたわけではありませんが、

話をする機会が多かった荒馬。

ふとしたきっかで、【詩】の話になりました。

荒馬も【詩】を書くのが幼いころから好きでした。

初めて授業で書いた詩を担任の先生がとても褒めてくれた事が

きっかけだった気がします。

 

彼女は、大変感受性が豊かで

しかもそれを、上手に言葉で表現できる中学生。

入院生活の中で、四季を目ではなく、香りで感じていたというのです。

ベッドの上での生活が続くと、

外の風景を見ることもままならなかったと。

「四季にも香りがあるんですよ」

「春夏秋冬、それぞれに独自の香りがあるんです」

そう言った彼女は、お互いに【四季の香り】というテーマで

詩を書いて交換しましょうと持ち掛けてくれました。

 

何枚書いても「これだ!!」という詩が完成せず、

悩みに悩んだ宿題。

結局、その数か月後に、荒馬の異動が決まり渡せないまま。

翌年、凡師さんとの結婚式に顔を出してくれました。

「宿題の提出期限はまだまだ大丈夫です。納得のいく詩を交換しましょう」と

彼女は言ってくれました。

その後も、何度も書いては見たものの、

目で見たものを言葉で表現するよりも

香りや音を言葉で表現するのは本当に難しく、

未だに未提出のままです。

彼女のお母さんとは話す機会があるのですが、

宿題が完成していない後ろめたさなのか、彼女自身の近況を

聞けずにいます。

 

今年は書けるような気がしています。

ここ数年、ふと頭をよぎっても、

机に向かいペンを走らせることができないまま時が過ぎました。

今年は、何だか書けそうな気がします。

宿題が未提出のままは良くありませんよね。

宿題が完成した時には、

彼女のお母さんに、自信を持って、

彼女の近況と連絡先を聞こうと思っています。