こんにちは。
田舎暮らしについて少し考えさせられた荒馬です。
【善意は悪意より恐ろしい】
湊かなえさんの作品は、
心理描写や生活の描写がとてもリアルで、
共感するというよりも、覗かれているようで少し怖くなるくらい。
そして、
湊さん自身が、このような体験をしたり、見聞したことがあるのかなぁと
感じるほど、説得力があります。
もちろん、作品を作るための取材などもするのでしょうが、
それだけでは表現しきれない部分までも、描かれている気がします。
今回は、
田舎町に昔から住んでいる人、
転勤などで引っ越してきた人(再び引っ越す可能性が大)
地域に魅せられて移住して来た人
その人達の生活が描かれています。
都会から来た人たちは、
田舎の物足りなさを感じて鬱々とした気分になるタイプ
と
田舎の良さ(人・景色などなど)を存分に楽しめるタイプ
に分かれるのではないかと思います。
凡師家も移住して1年半が経ちました。
まぁ、都会と言っても、
今住んでいる地域よりは栄えていて、人口も多く、
年齢分布もバランスが取れていた程度ですので、
【都会】という表現は、正しくありませんが…。
それでも似たような要素を持っています。
それ故に、
この小説は、ドキッとする視点がありました。
元々、この土地で生まれ育った人は、
その良さに気づいていない…というのは、
外の人間の言い分ですよね。
それでも、自分の住む地域に【誇り】や【好きという気持ち】は
少ないように感じます。
「田舎だから○○なんだ」「田舎だから○○できない」
「田舎だから、そんなの無理」「田舎だから…」
「若い人が少ないから…」
そんな言葉を荒馬も多く聞いています。
だからこそ、外から来た人が、
その意識から変化させられないかと、何かを試みる。
そこにはやはり、
一筋縄ではいかない感情のぶつかり合いや牽制し合う姿があります。
『ユートピア』も同じような描写がありました。
その土地に関わらず、
地域・学校・職場など、
人が集まり、そこで生きる中で、
変化をもたらすのは【若者・よそ者・バカ者】という言葉を
聞いたことがあります。
それがどんな方向へ導くのかは、
やはり、【人】
特に大人は、大きな変化を拒んだり、面倒に思い、
結局は、
現状維持が心地よくなるものです。
郷に入っては郷に従う も、捉え方次第ですよね。
荒馬も気を付けなければと思います。
良さを大切にしつつも、
必要であれば、変化をもたらす。
せっかくなら、
上手く付き合っていきたいと思うのが、本音ですから。